アラサーライター吉原由梨の「ようやく大人 まだまだ女」別館

男女や家族を含む人間関係、家庭、仕事、メンタル、生き方について。

趣味まで婚活仕様にするほど「高収入男性」をギラギラ探した黒歴史。のほんの1ページ。

 20代中盤、「アラサー」に足を踏み入れたころ大失恋をした。長年付き合って結婚の話もかなり具体的だった相手から、突然の「終わりにしよう」宣言。

仕事にしか行かない引きこもり期間を経て、その後猛烈に「何が何でも結婚したい」症候群にかかる。しかもまことにあさましいことに、「前の彼氏より高収入な男性と結婚する。」と決めた。やり場のない悔しさがゆがんだ結果である(元カレは社会的地位はあったが高収入ではなかった)。ちょうどそのころ結婚した市川海老蔵さん・小林麻央さんの披露宴の中継をみてギラギラ闘志を燃やしていた。キラキラでないところが哀しい。

 ギラギラ症候群をわずらった半年間の婚活

半年間ほど続いたその「高収入の男性と結婚したい症候群」はかなり強烈で、気力体力知力のすべてを婚活に注いだ。

具体的には、

・毎週金曜は友人のツテで合コン。合コンマッチングサイトも利用。

・婚活パーティーは3社チェックし、職業や年収要件があるもののみ月2で参加

・週末は合コンとパーティーで出会った男性との食事やお茶。アポが重なりそうになれば、ランチとお茶とディナーではしごする。

・平日夜に会える人には平日会う。(ウィークデー5日間で3人の人と食事した週もある)

・婚活本や雑誌の婚活特集、心理学の本を読み漁る

・ヘアメイクとファッションは徹底的に男性うけを狙う

 その一環として、「高収入な男性と出会える趣味の場」にうんうん思いを巡らせていた。

婚活パーティーは年収条件がある会にいけば高収入は約束されるが、行けばいくほどどうも肌に合わない。なんか漁場を間違えている気がする。合コンも時間がかかる割に人数が少なくて効率が良くない。

ならば、趣味や習い事だろう!婚活で習い事というと、料理教室やポーセラーツや自分磨きのダンスを始める女子が多いが、今さら女の園に行ってどうする、男女比がいびつな場所に行くのだよ、とぎらぎらモードの私は考えた。男女比がいびつで、しかもお金のかかる趣味の場。

そのときの思考回路が見事にまとまっているのが、トイアンナさんのこちらの記事。

toianna.hatenablog.com

もう頭のなか覗かれていたのかと思うくらい、当時の私の「あれでもない、これでもない」が文章化されていて、当時の記憶がまざまざと蘇る。

でも趣味戦略は私の個人的事情によりことごとく手詰まりになった。トイアンナさんの提案する趣味に沿って、その悲しい理由を説明する。

●高級車

小さいころから車酔いがひどく、ドライブデート不可。だから車に興味がもてない。ちなみにベンツでもジャガーでもBMWでも酔う。却下。

 

●ミリタリー

大学時代に友人が池袋西口でサバイバルゲームをやっていたのを思い出した。が、運動神経皆無なうえ、アドベンチャラス感にもスリリング感にも興味がなさ過ぎて却下。

 

●腕時計

思いもつかなかった。残念。

 

●ワイン、ウィスキー

当時はお酒があまり飲めなかったので却下。

 

●自転車

これは結構真剣に検討した。でも、あの高級自転車のサドルの高さと前傾姿勢が怖い。一度友人のに乗せてもらってみたのだけど、結婚欲より恐怖がまさって棄却。

 

●文房具

これなら私にもちょっと理解できる!万年筆とか凝った革製品なんか素敵だ。足をふみいれようかと思ったが、文房具好きな男性が集まる「場」が見つけ出せず棄却。ギラギラしてたくせに詰めが甘かった。

 

●古美術

自分で買うのは経済的に難しいけれど、美術展はもともと好きなので、知識を仕入れて一緒に楽しむことはできるぞ!と意気込んだ。陶芸教室も興味があった。採用!!

が、トイアンナさんのご指摘通り、シニア層の方が多い。当時私は相手の年齢を30代中盤までと決めていたので、どうも違う……と気付き、撤退。残念だった。

 

クラシック音楽

これが一番親しみやすく、もともと好きで、望ましい選択肢だった。が、元カレがクラシック好きでラフマニノフやらショパンやらのCDをよく聴いていたので当時は「クラシック好き」の男性にトラウマ並みの拒否反応があり、泣く泣く棄却。

 

 ●番外編:競馬

上から下まで男性の幅があまりに広そうで、かつギャンブル好きの男性との結婚は見極めが難しい…と思いとどまった。

以上が、私の「高収入の男性と出会える趣味の場」戦略が手詰まりになった悲しい理由である。

でも今にして思うと、「お金のかかる趣味」をもつ男性と一生やっていくのはなかなか難しいところもあるかもしれない。沢山稼ぐけど、沢山出ていく。生活が破綻しない範囲内ならOKと思えるか、思えないかは個人の価値観次第だ。いまの私は「うーん」と思うけど、ギラギラしていた当時の私はそれでもいいと思ってたのだから。

そこがクリアできて、私みたいに悲しい理由が勢揃いしてしまわない女性には、「高収入な男性と出会える趣味の場」戦略はかなり有効だと思う。

 その後

最終的にギラギラ症候群は落ち着いた。というか、婚活がむなしくなってやめた。あさましいスペックチェックによる足切りから始まる人間関係にどれほどの価値があるんだ何様だ私は、とアホな自分にようやく気づいたから。憑物がおちたみたいだった。

その直後にひょっこり再会した現在の夫と恋愛して、サクッと結婚したのだから人生分からない。結婚した当時の夫の収入は元カレより低かったけど、そんなことは気にもならなかった。そして、かつては戦略として取り入れようとしたクラシックやワインを、いまでは(安価な範囲内で)夫婦でまったり楽しんでいるのもなんだか笑える。でもこの迷走した半年間にたくさんの男性を観察しまくれたおかげで、かなり社会勉強とデータのストックをした気もする。黒歴史にも一応の存在価値あり、か。